「宝物」あとがき

一年ぶりの更新です。ははは(もはや笑える)。

実は以前から、シキがどうしてあそこまでエイルに思い入れがあるのかなーと思っていました。

忠実な騎士という設定だから、ということで、理由は考えてはいたけれど、やはりどれも「後付け」だったんです。いくら考えてもしっくりこないというか。

……実は、不思議なことがありまして。

普段は八時まで寝坊している日曜の朝、六時より前にまどろんでいた中で見た夢が、そのままこの話だったのでした。

文章化するにあたって直した部分もありますが、ほとんどは「まんま」です。

日常とても忙しく、また楽しく、小説から離れている生活を送っていた中で、何故突如としてこんな夢を見たのか。

とにかく、目を覚ました私は寝ぼけまなこのままスマホを起動させ、必死で逐一を書き留めました。

そして、「シキがエイルに忠誠を誓っていたのはそういうことだったのか!」と納得しちゃったんです。は〜、なるほどね〜、と。(笑)

こうなってくると、LLってのはどうにもこうにも、「私の頭で考えて作り出したお話」ではないような気がします。

神がかるとか、憑依するとか言いますが……どうなのかわかりませんけど、「その瞬間」が楽しみでやっているのは事実です。

たとえて言えば、床に何層にも重なって散らばりまくっている数多くのジグソーパズル。

全部で何種類あるか見当もつかないくらい。それのピースの数なんて言ったらもう本当に数えきれないくらい。

いつもはピースをつまみ上げては、どれとどれがつながるかなーと探しているのですが、こういう夢を見るときは、すでに出来上がった一枚の絵が自動的にピースの重なりをがさがさっとかきわけて出てきて、じゃーん! と私にそれを見せつける。

そんな感じなんですね。

ピースがはまった! ていうか絵が完成しとる! って笑っちゃうくらいの完璧さ。

それを文章に書くときは何も悩みません。手は止まりません。どうしようかな、とか思わない。

それがもうね。たまらない幸せ。

自分の中からとめどなく言葉が溢れて、どんどこ物語が形作られていくのを見ているのは、早回しで映画を撮っているみたい。本当に幸せな時間です。

これだから、やめらんないんだよなあ、物書きって。(笑)

そしてもう一つ不思議なのは、ほぼ同じ時期に遠く離れた場所で、タヌが「エイルを描きたい!」と思っていたこと。

普段はクリフびいきの彼女が、何故突然エイル? と自分でも不思議に思い、そういえば一年くらい小説の話はしていないけれど、かんちゃんはどうしているのかなと連絡をくれたのが木曜だか金曜だか。

同時期に二人してLLの世界に思いを馳せていたという偶然もまた運命的であるように思えて、彼女のためにもこの話を一気に書き上げました。

今、とても幸せな達成感と充実感があります。

タイトルは「宝物」にしました。

エイクス王にとっての宝物。本編、そして「012.若き支配者」を読んでいただけると、さらに奥深く楽しめるかと思います。

……次はまた一年後でしょうか?(苦笑)

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