職業 −Job−

職業というものについて

人々はごく普通に仕事をし、売買で金を儲けたり、賃金を得たりしています。
金を得るための手段はいくらでもありますが、職業として国などに認められていないと、保護が受けられなかったり、時には捕まったりもします。
きちんと認定されている仕事には「認定書」があり、「職業」として認められます。

一つの例を挙げます。
武器を売っている人は武器屋と呼ばれますが、武器屋の認定書を持っている人だけが正式な職業として認められます。
認定書を持たずに武器を売っている人は非認定の武器屋です。見つかれば捕まります。
認定書は持っているけれど、売買してはいけない武器などを取り扱う商人もいます。これも見つかれば捕まります。

別の例をもう一つ。
傭兵は認定書が不要です。認定書を持たずに自分を傭兵と名乗っても捕まりませんし、雇ってももらえます。
ただ、戦闘系の認定書(例えば剣士など)を持っていれば、高い賃金で雇ってもらえます。

レノアでもルセールでも認定書を発行しています。
大きな町などにギルドがあり、やり方は国や地方によってある程度は違いますが、大陸のどこへ行っても認められる認定書を発行してくれます。
手に入れる方法は、職業によってそれぞれ違いますが、いずれにしてもギルドの運営する「職業認定所」へ行き、試験を受け、合格する必要があります。
大戦が終わってから、大陸の平和のために制度が整備されました。
ギルドや認定所自体は古くからありましたが、各地域によって取り方も違えば通用する地域も限られていたのです。
大陸全土で通用させるために、審査はなかなか厳しいものです。出身地や出生がはっきりしない人、また前科のある人は試験を受けることもできません。
認定書は、これも職業によって違いますが、有効期限があり、毎年、あるいは数年で認定試験を受けなおす必要があります。

職業の種類

職業は、戦闘系・魔法系・生活系の三つに分割されています。

■戦闘系■
武器などの道具の扱いに長けている者向けで、剣士や戦士などの職業があります。
それぞれの職業用の武器や防具を安く買うことができます。
戦闘系の職業に就いた場合、多くの人はそれぞれの住む領地の自治を守るために兵士となりますが、中には傭兵や修行者として諸国を旅している者もいます。
戦闘系は、持っていればいるほどスキルアップですから、雇ってもらいやすくなります。
ただし、方向性の違う職業を認定してもらうためには、かなりの修行をこなさないと無理です。
ゆえに、複数の戦闘系の職業を持っている人は多くありません。

■魔法系■
魔法が使える者向けで、魔術士、僧侶などの職業があります。
杖や守りの護符などが安く手に入ります。また各種の薬を作ったり売買したりできる職業があるのも、魔法系だけです。
魔法系の職業であれば、簡単な傷の手当てのための回復魔法や、ごくささやかな魔法を使う人が大半です。
多くの人が町で便利屋として働いたり、開業医になっていたりします。
また世界の各地には神殿などもあり、修行僧たちは「僧侶」の資格をもらうとそこで働くことができます。
神殿というのは回復などを学んだり、ボランティアをしたり、町の人々ともに暮らしながらも神を身近に感じようとする人々が集まって暮らすところです。
いわゆる、修道院のようなものではありません。どちらかといえば、学校のようなところです。
魔法に関しては習得が難しく、また本人の素質も非常に関係してきます。
ゆえに魔法系の職業についている人は小人数で、重宝されています。
病院や学校といった機関で働いている人はほぼ魔法系と言ってもいいでしょう。

■生活系■
生活系は上記の二つとは少々違い、一般職と言われるものです。
町で働くために適した職業が多く、店を出すための認定書がもらえます。
主に食料品店、武器屋、宿屋などの職業があります。
戦闘系や魔法系と違い、地域によってさまざまな特色があります。
生活系の職業認定書は、戦闘系や魔法系と違って特別なスキル(能力)は必要ありません。
その代わり、その街で平和に商売が出来るかどうかなどといった観点から、人間性が非常に重視されます。

主な職業

…剣士…
ダガーのような小さなナイフからマスターソードのような長剣まで、剣という剣の扱いに慣れた、強靭な者が得られる称号。
認定書は闘技場で発行される。

…槍使い・弓使い…
それぞれ、槍や弓を扱うことに慣れた者が得られる称号。槍使いは主に馬に乗って戦う。弓使いは森などで猟や狩りをする者が多い。
認定書は闘技場で発行される。

…武闘家…
格闘技、体術に秀でた者が得られる称号。あまりレベルの高い武器は使えなくてもいい。比較的、斧や棍棒を使用する人が多い。
認定書は闘技場で発行される。

…僧侶…
神殿で働くために必要な称号。魔法学、歴史学、薬学などの勉強が必要。回復系の魔法が使える。
各地の神殿で医者やボランティアで働いたり、修行の旅や巡礼をしたり、町医者になったりする。
認定書は魔法ギルドで発行される。

…魔術士…
魔法を使う者に与えられる称号。簡単な魔法が使えるほか、杖などの道具を補助的に使って魔法で戦うことも必要なので、戦闘系と魔法系の中間に位置しているといえる。
大きな魔法を使うためには大変な修行をしなくてはならないし、時間もかかる。大抵の人は町の便利屋だったり、魔道書を扱う本屋だったりする。
認定書は魔法ギルドで発行される。

…精霊使い…
自然界の精霊を呼び出し、意思の疎通ができる者に与えられる称号。特殊な訓練が必要。
この認定書は精霊との契約書も兼ねているので、これが無いと精霊は呼び出せない。
精霊使いには変わり者が多いとされているが、中には他人との接触を一切避けて森の中や山などで暮らす者もいると言う。この職業に就いている者はかなり少ない。
認定書は魔法ギルドで発行される。

…司祭…
占い、予見ができる能力を持つ者が得られる職業。僧侶や魔術師として経験をつみ、知識が豊富な者が得られるが、ある程度の予知能力が必要。
司祭は精霊使いと同様、数少ない。占い師になるために司祭の認定書は必要ないので、大抵の占い師は信用できない。
認定書は魔法ギルドで発行されるが、他にも条件があるとか。

…武器屋…
生活系職業のうちのひとつ。防具屋、道具屋などもこれと同じ。武器の売り買いをするために必要な認定書で、これが貼られていない店は不正である。
認定書は商人ギルドで発行される。

…宿屋…
生活系職業のうちのひとつ。旅人を泊める宿。大きな部屋に全員一緒に寝泊りする「布団貸し」といったものから、食事までついている豪勢な宿屋まで、ランクは様々である。
認定書は商人ギルドで発行される。

…酒場…
生活系職業のうちのひとつ。人々の憩いのオアシスであり、噂や情報が満ち溢れている所。
傭兵や船員のスカウトなどが行なわれている場合もある。宿屋と同じくランクは様々である。
認定書は商人ギルドで発行される。

…運び屋…
生活系職業のうちのひとつ。宅急便のようなもの。早駆けや馬で、手紙や小包などを届ける。
地理に詳しい旅人などが資金稼ぎに請け負う場合などもある。モグリも多い職業で、その場合、荷物の保証がされないので要注意。
認定書は商人ギルドで発行される。

…口入屋…
人材斡旋業。いわゆる奴隷商人。人手の足りない職場に労働力を提供し、働きたい人間には職場を紹介してくれる商人。
ぶっちゃけるとハローワークみたいなもん。悪徳奴隷商人は子供や珍しい人種などを取り扱い、性的な業務への人材派遣も行うという(もちろん見つかれば捕まる)。

特殊な職業

…騎士…
王の認めた称号「騎士の証」を持つ。馬術に優れ、剣、槍など多くの武器を扱うことができる。
ただし、必ずどこかの領地に属しているため、自由行動はないに等しい。主に王族・貴族がなる職業である。

…兵士…
騎士団に属していずとも、国や自治領などの領主に雇われている兵。
「金の切れ目が縁の切れ目」の傭兵と違い、領主に忠誠を誓う人々である。個人の私兵などもこれに含む。

…傭兵…
雇用主を探している状態、またそれを公言している状態にある者が傭兵と呼ばれる。基本的には戦士、剣士などの称号を持つ者が多い。
傭兵は一旦雇われると、任務期間が終了するまでは規定の料金で働く。料金は雇い主との交渉による。

…船員…
南の方では船が出る事も多く、その場合に多くの船員が必要になる。船員になるために必要な認定書はないので、酒場や港で雇ってもらえさえすればいい。

…盗賊…
職業と言えるのかどうか怪しいが、盗みを仕事にしている人々がいるのは確かである。盗賊にもギルドがあって、裏認定書みたいなものがあるとかないとか。

…奴隷…
これも職業であると言えるのかどうか。諸々の事情で、認定書なしで誰かに雇われている状態をいう。
下男や侍女なども含まれるが、その仕事も扱いも様々。奴隷と言っても誰もが虐待されたりしているわけではない。

…ラハブ…
高級奴隷の一種。娼館で働く女性のこと。娼館は酒場と同じく(男性に限るが)人々の憩いの場。ある種の肉体労働従事者でもある。
同職には男性もいるが、ラハブというと多くは女性のことを示す。売春婦とはまた別だが、混同されている場合もあり、明確な違いはない。

…賢者…
魔術士、僧侶、司祭などの職業を極め、多くの経験を積んだ大魔法使いと言われているが、存在するのかどうかは謎。

Copyright©, 1995-, Terra Saga, All Rights Reserved.