大陸 −Land−

 地理、地形

大陸は南北に長く、平仮名の「く」の形に似ています。名前はありません。
全体図は「大陸図」をご覧下さい。
またこの大陸には山地、平野、砂漠など様々な地形が存在してます。
大陸のほぼ中央には、東西に伸びるゆるやかな山脈があり、シンジゴ山脈と言われています。
山脈より北は豊かな草原地帯がほとんど、南は山地や砂漠など荒れた土地がほとんどです。

大陸にはいくつかの国と多くの自治領が存在します。
以下、国ごとにご説明します。

レノア

大陸で一番大きな国で、北の大国と言われています。
王国領は広大で、山脈以北のほぼ全てがレノア国領です。

国土の中央部に位置しているのがレノア地方です。
国名と地方名、さらには首都の名前まで同じなので、よそから来た人は混乱することもあります。
豊かな田園地帯が広がり、風光明媚な土地です。
首都レノアはレノア地方の北部に位置し、南へ向かう大きな街道が発しています。

マグレア地方は、国の一番北に位置しています。
クリフたちの住むサナミィ村があるところです。
レノアからみて北(正確にはやや北東)に位置しています。
海抜が少し高めで、そのほとんどが丘陵地帯です。冬には時折ですが雪も降ります。

その南東、首都レノアから見て東にあるのがミュルク地方です。
冷帯湿潤気候で、年間降雨量は大陸最高。湿地も多くあります。
メルという町などは年がら年中雨が降っているという不思議なところです。

ミュルクの南、首都レノアの南東部に位置するのがホベック地方です。
多くの鉱山があり、主に鉄鉱石が産出されています。

一方、レノアの西にはタースク地方が広がっています。
レノア国の一部ですが、自治領として独立しています。
タースク地方は広く、あまり雨が降らない地域です。

大陸中央部、レノアから見て南に位置するのがメンフォン地方です。
ここにはシンジゴ山脈があります。ラマカサとデュレーの町もあります。
このあたりは荒地で、馬はあまり使えません。石がごろごろしていて、歩いた方が早いからです。
また、シンジゴ山脈は馬では超えられません。なだらかではありますが、唯一作られている山道は細く、険しいからです。

レノアには以上六つの地方があり、それぞれに地方領主がいます。
また、自治を認められている小国、自治領、地方都市などがいくつもあります。
大抵は毎年決まった金額をレノアに支払うなどしています。
ごく小さな都市などの場合、執政官がレノアから派遣される場合もあります。

アシュクシュ

アシュクシュはレノア北部にあり、その領土のほとんどが山岳地帯で、狼やトナカイ、鹿などの獣が多くいます。
一年中雪に覆われた高い山々が峰を連ねており、人々は山間に小さな村単位で住んでいます。
特産品は毛皮類。山々から流れる水がレノアを養っていると言っても過言ではありません。

イーソスとグロール

大陸東部、ホベック地方のさらに東に、イーソスとグロールという国があります。
レノアに自治を認めてもらっている小国とは違い、完全に独立しています。
昔からこの二国は互いに争っており、何かにつけては戦争を繰り返しています。

ルセール

大陸南部の約半分を占めるのが、第二の大国ルセールです。

山脈の南は砂漠が広がっています。
人々は長い間、山脈より南へは進出できませんでした。
しかしレノア暦516年、砂漠にオアシスが発見され、人々はここを拠点として南方を開発していきました。
520年には英雄マイオスによって国が興され、ルセールはどんどん広がっていきました。
山脈の南は水が不足しているのですが、王都マイオセールのあるあたりにはシンジゴ山脈から流れる地下水脈が湧き出ています。

大陸南東部に広がるルセールは、首都マイオセールのある北西部をルセール地方、南東部をリューイー地方としています。
ルセールは荒れた土地が多く、作物があまり取れません。海に近く、また熱帯であるため、低木に果物がなる程度です。
どちらかというと流通に力を入れていて、各国の産出品を輸出入して、金を稼いでいます。

南東部のリューイー地方は、元々漁師たちが細々と暮らす小さな村があるだけの土地でした。
ルセールの支配下に置かれた今でも、人々の暮らしはさほど変わっていません。
ですが、ルセールからの資金を得て大きな船が作られるようになりました。
リューイー地方には大きな入り江、むしろ湾に近いものがあります。
ここは波が非常に穏やかで、水深が深く、大きい船も作ることが出来ました。
人々はコーウェンなどで作られた大きな船で、広い海へと進出していきます。
そして発見されたのがミクリナ島でした。ミクリナ島は大陸の南東にある三角形の島です。
ここは蚕が多く育つので、上質の絹が取れます。
この絹をルセールが流通させたおかげで、島北部の町バシェスは絹の生産地として一躍豊かになりました。

エルマーナ

大陸西部、シンジゴ山脈のすぐ南にある砂漠の国です。
砂漠に住む人々が作る部落がいくつもあり、彼らの会議で国政が議論されます。
ルセールやミチロ皇国との国境線はあまりはっきり決まっていません。

ミチロ皇国

大陸南西部に存在するミチロ皇国は、大陸で三番目に大きな国です。
貴族が支配する古い体質の国で、武力ではレノアやルセールに劣りますが、呪術や魔術などの発展した神秘的な国です。

カルツ

貴族政治や魔術に抵抗のある人々が建国、ルセールの力を借りてミチロから独立しました。
宝石として加工される鉱石が産出されます。
また、鎧や剣などの加工も得意で、小国ながら資源豊かな国です。

 気候風土、季節

大陸の季節は、山脈の北と南とで全然違います。
地方によって気候はまちまちですが、大陸北部は基本的に豊かな四季に恵まれています。
北部に比べ、南部はそれほど明確な季節はありません。

ちなみに、大陸北部のアシュクシュやレノアのマグレア地方では雪を見ることがありますが、その他の地方ではまず見られません。
雨は、レノアには比較的多く降りますが、山脈以南の降水量は多くありません。

レノアの暦は四季の移り変わりに合わせ、一年を九ヶ月に分けています。
南部のルセールなども含め、基本的に大陸全土でこのレノア暦が使用されています。

レノアの一年は春風、花の香、青葉、白雲、雨、虹、収穫、月光、凍夜の九つです。「各地の季節」を参照してください。
この内、花の香月(はるのかづき)と、雨の月は降雨率が高く、逆に秋から冬にかけてはあまり雨は降りません。
しかし地方によってはその限りではなく、特にホベック地方のメルという町では一年を通していつも雨が降っているので「雨の街」と呼ばれています。
雪はマグレア地方では降りますが、それより南の地方、例えばレノア城下などでは数年に一度くらいしか降りません。
一ヶ月は二十五日、雨の月と虹の月は二十日と決まっているので、これで計算すると一年は215日になります。
が、凍夜(とうや)月がいつ終わるかは「風」によって決まるので、一年が215日と決まっているわけではありません。

凍夜月になると雨も降らず風も吹きません。ただ月光の月に比べ、極端に温度が下がります。その為レノアの人々はほとんど家を出ることなく過ごします。
この凍夜月は毎年、「風」によって終わります。ある日突然、暖かい南風が吹き渡り、そうしてレノアには徐々に春が訪れるのです。
そして風の吹いた翌日に、レノア王によって新しい年の始まりが宣言されることになっています。
凍夜月は年によってまちまちですが、だいたい三十日前後続きます。
一年でもっとも長く寒い月なので、人々は春の訪れを心待ちにしています。

山脈以南は一年は乾季、雨季、そして収穫季の三つに分けられています。
一年間の長さはレノアと同じで、暦もレノア暦を使用しています。
収穫季から乾季に変わる目安は特にありません。
ほとんどの作物は冬の間に取れなくなっているので、レノアが春になって新しい一年が始まると、ルセールを始めとする各領地でも一年を始めるのです。
山脈の南側では、気候は一年を通してあまり変化しません。
平均的に気温が高いことが特徴です。
東海岸部のリューイー地方には比較的四季があります(大陸中で年間平均気温が一番高いのもこの地方ですが)。

乾季はその名の通り湿気が少ない季節で、暑い日々が続きます。
毎年水不足に悩んでおり、水売りの声が聞こえると、人々は我先に駆け出します。
雨季はその水不足を解消する絶好の機会です。水は瓶や壷に貯められ、涼しい地下に貯蔵されます。
しかし温度の高い山脈以南では、水は腐りやすいため、長期保存は出来ません。乾季よりは安くなりますが、やはり水は高く取引きされます。
収穫期は、一年で一番過ごしやすい季節です。
人々は少ないながらも作物を収穫し、漁をし、大地の神ルドに感謝を捧げます。この時期は、収穫祭やその他の祭りが多く催されます。

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