「優しい悪魔」あとがき

元々の題は「狩人の息子」というものでした。

2003年ごろだったかな。思いつき、勢いだけで書きなぐったまま、消化しきれずに放置してあったんです。

2005年の秋に、100題の「優しい悪魔」というのを見て「これだ」と思い、加筆修正をして書き終えました。

最初に書いたときはまるで小説の形になっておらず、後半なんかはほとんど台詞のみでした。

今回は最初から書き直しましたが、その台詞などにはほとんど手を加えていません。

大切に取っておいて良かったと思います。

難しいテーマでしたが、自分なりにきちんと書けたと思います。

大きな一つの区切りになったと思います。これを書ききることが出来て、今は満足です。

そうそう、大層な注意書きをつけましたが、人間のエゴや汚さを知らぬ子供にとって、あまりいい話じゃないと思ったからです。

この裏話も、お子様は読まない方がいいかもしれません。

これから先はネタバレです。

というか、解説みたいなところがあるので、本編を読んでから読んでいただければ幸いです。(^^;)







最後の方でクレッグが父親に言う台詞は、前々から俺が思っていることです。

弱肉強食、きちんと輪になっている生態系の中で、人間の存在がそれを崩しているのでは? と。

何故、人間には天敵と言える生き物がいないのでしょうか。

病気がそれだという話もあります。

不治の病と言われるものをいくつも克服し、それでも新しい病気は生まれます。

ですが、天敵というのはそういうものじゃないと思うのです。

食われて当たり前。

もちろん、種を守るために抵抗はするでしょう。誰だって死にたくはないはずですし。

でも、食われなければ、結局種は増えすぎ、困る事になるんですよね。

人が人を殺す、大規模なところでは戦争をするというのは、個数を増やし過ぎないようにする無意識の自衛、自らの種が増えすぎないための自衛なのでしょうか。

人間が増えすぎることでバランスは崩れていると思います。それもまた自然の成せるわざなのかもしれませんが。

色々考えていると、頭が熱くなって煙が出ますが(笑)、人間だけが偉いわけじゃないんだと、そういうような事が言いたくて書きました。

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